東京メトロ「マナーポスター」が教えてくれた真のマナーとは!?

東京メトロの駅構内や車内に掲出されている「マナーポスター」はどのように作られているのでしょう?東京メトロさんを訪ねてきました!

地下鉄のちょっと気になるポスター

東京メトロの「マナーポスター」って知ってますか?

家でやろう』『またやろう』のシリーズが話題になった、東京メトロの駅構内や車内に掲出されているマナー向上のためのポスターです。

今は別シリーズのポスターが掲出されているのですが、毎回新しい切り口から、ポップで目を引き、なおかつちょっと考えさせられるようにできていて、つい見てしまうんですよねー!

こちらは「メトロ文化財団」さんが作っているようで、2018年の4月から外国人の方の視点で描いたマナーポスターが掲出されています!

今回「東京メトロ」さんと「メトロ文化財団」さんにマナーポスターの製作や、マナーについての思いを伺ってきました!

地下鉄の秩序を守って44年!

そもそもマナーポスターとはどんなもので、いつ頃からあるのでしょう?

駅構内や車内に掲出されている「マナーポスター」は毎年変わる大きなコンセプトに沿って、駅や車内で のマナーを毎月1つずつ取り上げて掲載しているんだそう。

そして、驚くべきことにメトロさんでのマナーポスターの掲載がはじまったのは昭和49年

なんと44年も続いているんです!

ものすごい長寿ポスター!芸歴でいうと関根勤さんと同期です!!

 

記念すべきマナーポスター第1号は、森昌子さんがマナー喚起をしているものでした。

当時は掲出したそばから剥がして持って行かれてしまうほど人気が高かったポスターもあったんですって。

他にはマリリンモンローやチャップリンをモデルにしたものや、中には手塚治虫さんが描かれたものまで!

かつての伝説級インフルエンサー達がズラリと…!

東京メトロさんのマナーへの熱き思いを感じます!!

その頃は地下鉄の駅構内でタバコを吸えたので、駅のホームや線路の下にタバコの吸い殻がたくさん捨てられており、タバコに関するマナー啓発ポスターも多かったようです。

それが現在では電車内での駆け込み乗車マナーや歩きスマホのマナーが多くなっていたりと、取り扱うマナーの内容も変わってきています。

マナーの内容も時代によってだんだん変化してってるんですね!

マナーポスターはジワジワ効いてくる!

ポスターにするマナーの内容は、日本民営鉄道協会や東京メトロ「お客様の声」によるマナー違反についての統計を主に参考にしていて、なるべく「良いマナー」の紹介と「改善すべきマナー」をどちらも取り上げていくようにしているんだそう。

そして、この活動を長年続けたおかげで、定量的な根拠はないものの、車内で通話したり、飲食をする人は以前に比べると見かけなくなってきたと感じることがあるんだとか。

また、10年ほど前から「電車内での荷物の持ち方のマナー」を取り上げ始めたところ、今ではごく自然に多くの人がリュックを前に抱えるようになり、こちらもポスターの効果が出ていることの一つなんだそうです!

なんかそう言われてみればたしかに、誰に言われるでもなく電車内ではリュックを前に抱えるようになってたかも??そんな気がします!!

社会全体にジワジワとボディブローを効かしていたんですね…!

そんな現在の大きな課題は「歩きスマホ」で、こちらはメトロ文化財団さんだけでなく、東京メトロさんでも様々なポスターを製作して掲出しているそうです。

ポスターだと直感で伝えられる!

ところで、今では駅構内のお知らせを映像や電光で流せるような時代ですが、どうしてずっとポスターでマナーを知らせ続けているのでしょうか?

東京メトロさんに、ポスターである意味について聞いてみました。

ゆくゆくは映像で流すことも視野に入れているとのことなのですが、現段階では「映像よりもポスターの方がイメージが流れていかず、直感的に訴えかけることができる」と考えているんだそう!

立ち止まらなくてもパッと一目で伝えたいマナーを伝える、ということを大切にされているそうです。

また、映像だと見終わった時点で伝えることが完結してしまいがちですが、ポスターだとあえて最小限の情報をのせて印象深くすることで、受け取り手側がそのテーマを持ち帰って考えさせられるような作りになっているんですって!

マナーとポスターって非常に相性の良いものだったんですね!

良い街、良いマナー!

2018年の4月から掲出されている今年度のマナーポスターは「GOOD MANNERS,GOOD TOKYO!」という、訪日外国人の方の視点で見た日本のマナーがコンセプトとなっています。

なぜ2018年度のマナーポスターを外国人視点のものにしたのでしょうか。

それは「年々、訪日外国人の方の地下鉄の利用率が増えていることと、2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることで、今が海外の方に日本のマナーを紹介するいい機会だということでこちらのコンセプトが採用されました」と東京メトロさん。

訪日外国人の方の視点をどこから取り入れているかというと、WebやSNSから取り入れることもあれば、知り合いの外国人の方に直接お話を伺ったり、東京メトロのお客様センターに寄せられる意見を参考にするなど、できる限り近い距離での言葉を元にしているんだそう。

SNSからも意見を取り入れているというのにビックリですね...!

 

実際に外国の方からお話を聞くと、思わぬ意見に出会うこともあるんだとか。

たとえば優先席のマナー。今でも優先席に若者が座り、目の前にご年配の方が立っているというような状況を目にすることがあり、なるべく体が元気な人は席を優先的に譲るようにしてほしいということでポスターにしていたそうなのですが、外国人の方に「どうして日本人は優先席でしか席を譲ろうとしないの?」とびっくりされた事があり、これは目から鱗だったようです。

どうしても決まりの中で動こうとする人の多い日本では、あまりなかった気づきですね!

こういった声を受けて、なるべく優先席以外の席でのマナーの向上についても積極的に考えていき、「全席優先席」となるのが理想の形だと仰っていました。

マナーって正解がないものなだけに、柔軟な考え方をしていく必要があるのかもしれませんね!

強制しない、感じるマナー!

訪日外国人の方に日本のマナーを紹介すると言っても、簡単に伝えられるものではなさそう...!

マナーの考え方は、国によって大きく異なる場合があります。

日本には日本のマナーがあり、他の国には他の国のマナーが存在してるんです。

先ほど挙げた優先席の例もそのひとつで、他にも日本では電車内で大きな声で話している人がいると注意 をすることがありますが、それに対して外国の方が日本の電車を利用すると「なんて静かなんだ!」と驚くことがあるんだそう。

これは国民性なども影響していることだと思うので、「どちらがより良いマナーであるか」という尺度で優劣をつけることはできません。

ただそういった世界のマナーの異なる部分も、知っていったら面白そうですよね!

では、マナーの考えかたがそもそも違う国の人が日本の鉄道を利用する際には、どうやって日本のマナーをわかってもらえばいいんでしょうか?

そんな疑問を投げかけてみたところ、「そもそも我々は外国の方に日本のマナーを“教えたい”と思っているわけではないんです。」という答えが返ってきました。

訪日外国人の視点でポスターを作ってはいますが、日本人向け・外国人向けとターゲットを決めているわけではなくて、載せているのは共通して必要な根本的なマナーのこと。

外国人の方がもし「これは良いマナーだから見習いたい」と感じたならば取り入れてもらい、「ここは良くないところだな」と思ったら気をつけてもらう。

「日本のマナーを強制するではなく、一人一人がマナーの大切さを改めて理解することで、日本人が重んじるマナーがどういうものなのかが自然と外国の方にも伝わるのでは」と考えているそうなんです。

「やってほしい」というよりは「感じてほしい」と。

マナーってそもそも、自分と相手のどちらもが不快な思いをしないように意識をすることであって、それを無理やり押し付けてはマナーではなくなってしまうんですね...!

“マナー”に対する考え方を改めて認識することができました!

マナーポスターがなくなるその日まで

さまざまな場所で生まれ育った、子供からお年寄りまで幅広い年代の人が利用する電車。

それをみんなが気持ちよく利用するためには、1人の意識が変わるだけではどうにもなりません。

マナーポスターを通して乗客同士で、そして日本人と外国人の方で「相互コミュニケーション」が生まれてくれるのが理想だと、東京メトロさんは語ります

まず日本人のマナーの良さを向上させていき、世界に誇れるマナーを目指そうというのが今回のコンセプトである「GOOD MANNERS,GOOD TOKYO!」なんだそう。

そして最後にこうおっしゃっていました。

「ゆくゆくは『マナーポスター』がなくなってくれるのが理想なんですけどね(笑)」

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