自由にお出かけするのは悪いこと?ベビーカーでも電車に乗りたい!

2018.06.14
暮らし

ベビーカーで電車に乗りたい!もっと子どもと安心してでかけたい!そんなパパやママへのヒントはないかと東京メトロに話を聞きました。

赤ちゃんや小さな子どもと電車に乗るのってなかなかハードルが高くて、大変な仕事だと思いませんか?

泣けば「泣き止ませろ」と無言の圧力をかけられ、笑っても「うるさい」といわれ。SNSでの厳しい意見も多く、うんざりしたり悲しい気持ちになったり。

更に本来なら便利なはずのベビーカーが、地下鉄などの昇り降りが多い場所や電車での移動では、お出かけのハードルを上げる原因に。エレベーターを探して駅構内をさ迷ったり邪魔者扱いされたりして、ベビーカーが「荷物」に感じてしまうなんて経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

そんな赤ちゃんや子どもとのハードルを少しでも下げるヒントがないか?と考えたマナーベルは、実際に東京メトロへ取材をすることに。

東京メトロの職員

今回はベビーカーに関することを中心に東京メトロ、そして株式会社メトロビジネスアソシエの横溝さんに話を聞いてきました。

 

ベビーカーは荷物?移動を便利にする道具?

ベビーカーマナーでよく耳にするのが

 

車内ではベビーカーを畳むべきだ!

 

という声。確かに狭い車内ではちょっと幅をとりますが、それはなぜかって「子どもを安全に乗せて移動する」ため。畳んでしまえば、最低でも3kg以上もあるただの荷物です。

赤ちゃんや小さな子どもとのお出かけは、我が子とお出かけグッズでいっぱいになったリュック(バッグ)だけでもかなりの重量があります。その負担を軽くして、便利に移動するための道具がベビーカーです。

もう一度いいますが、それを畳んでしまえばただの荷物です。

そこで、まずは車内でのベビーカー利用についてお聞きすることに。広報課の担当者である山下さんから、次のような回答をいただきました。

東京メトロの山下さん

山下さん:現在は、ベビーカーは畳まずにそのままでご乗車いただけるようになっています。時間帯を選ばずにご利用いただけます。

 

時間帯や混雑状況などを理由に「ベビーカーを畳まなくてはいけない」といった決まりは設けていないそうです。車内にはベビーカーや車イスを留めやすいように「多目的スペース(座席のないスペース)」というものが、1編成に2箇所用意されています。ベビーカーは荷物としてではなく、道具として電車に乗せてもいいとされているのです。

実は「ベビーカーを使いやすい環境」を作ろうという取り組みが、国土交通省を筆頭に行われています。色々なところで目にするベビーカーマークも、2014年に国土交通省が制定したもの。

そしてもちろん「ベビーカーを使いやすい環境」の中には電車での利用も入っていて、「ベビーカーは畳まず乗車できる」としているのです。ベビーカーを畳んで荷物として乗車しなくてはいけなかったのは、過去の話なのです。

 

困ったことがあれば係員にお声がけを

ベビーカーは荷物ではなく移動のための道具。ラッシュ時でも、畳まないで乗車OK。でも混雑している電車って乗り込みづらいですよね。

乗車の時間帯をずらすのがいちばんいいのですが、どうしてもそうはいかないことも。「混雑してるけどその電車に乗らなくちゃいけない!」なんてときには、


「各駅の係員にお声がけして欲しい」


とのこと。混雑する時間帯でも比較的空いていてベビーカーが乗りやすい車両があれば、案内をしてくれるそうです。またベビーカーのままでも乗車できるよう、スペース作りの呼び掛けを他の乗客にしてくれることも。

もちろん混雑状況によってはそれでも乗れないかもしれませんし、周りに嫌な顔をされるかもしれません。

でも、駅の係員が手伝ってくれるってちょっと心強い気がしませんか?

乗車時のサポートだけでなく、駅係員に声掛けをすれば階段やエスカレーターなどでベビーカーを運ぶ手助けもしてくれます。

東京メトロではベビーカーだけでなく「困っている人に対して係員から声掛けをする取り組み」も行っているそうです。いざというときに頼れる人がいると思うと、ちょっと心強いですよね。

 

もちろん利用側にも気をつけた方がいいことが

多くの人が利用する駅や電車では、もちろんベビーカーの利用者側も気をつけた方がいいことがあります。

  • ベビーカーでエスカレーターは利用しない
  • ストッパーをかけずにベビーカーから手を放さない
  • ベビーカー同士横並びで歩くなど道を塞がないようにする
  • ベビーカーで攻撃しない

ベビーカーをそのままエスカレーターに乗せると、バランスを崩す恐れがあるのでとても危険です。乗っている子どもや周りの人にケガを負わせてしまう恐れも。他の移動ルートを探す、ベビーカーを畳む、係員に相談をするなど、ちょっと面倒でもエスカレーターではベビーカーを利用しないようにしましょう。

また駅構内やホームなどには、傾斜になっている箇所があります。ちょっとの斜面でも、荷物や赤ちゃんの乗ったベビーカーは転がります。そのため、とくに手を離す場合などにはストッパーをかけるようにしましょう。車輪が人にぶつかるととても痛いので、揺れる車内でのストッパーはもちろん必須です。

ベビーカーの利用については、気を遣っている人がほとんどだと思います。気を遣いすぎてうんざりすることも。でも、マナーが悪い人が一定数いるのも事実です。

ベビーカーで攻撃したくなることありますし、よくいわれる「申し訳なさそうにしろ」というのも、なんでパフォーマンスしなくちゃいけないの?なんて反発したくもなります。

でも私たちは大人ですから、最低のマナーだけは守っていきたいですよね。

 

社員の提案により新たなサービスも

東京メトロでは、ベビーカーをご利用のお客様にもっと便利に移動ができるようにと「ベビーメトロ(https://www.babymetro.jp/)」という新たなサービスを試験的に運用中です。期間は2018年3月27日~2018年7月31日まで。

ベビーメトロ紹介

このサービス、実は社員による事業アイディアの提案制度「メトロのたまご」から生まれたのだとか。提案者の横溝さんは、なぜこのサービスを思いついたのでしょうか?

横溝さん:以前から「地下鉄は使いづらい」という声を聞くことがありまして。なぜなんだろう?とよく話を聞いてみると「知りたい情報をすぐに見つけることができない」からだったんです。

そこで「必要としている人に対して的確な情報を伝えられるアプリケーション」などがあれば便利なのでは?と考えた横溝さん。

アイデアを応募した当時、横溝さんの奥様が妊娠中だったのも応募のきっかけに。妊娠中やベビーカーを利用している人でも地下鉄が便利に利用できるように、エレベーターの位置やスムーズな乗り換えができる車両といった「移動に便利な情報を提供できるサービス」を考えたそうです。

 

重視したのは「操作性」と「見やすさ」

横溝さんの思いからスタートしたベビーメトロの企画。運用チームのメンバーは、通常業務の傍ら約1年半かけて今回の試験運用に。

横溝さん:このサービスでは各駅にエレベーターやベンチがあるか、乗車位置案内、駅構内図などが確認できるようになっています。情報量をシンプルにすることで使いやすく、また小さなお子さんがいてあまり目を話せない場合でも使いやすいように、少ない操作で簡単に使えるようにしています。

ベビーメトロは文字量も少なくシンプルな作りに、可愛らしいイラストがポイントとして使われています。

ベビーメトロ施設案内

エレベーターやベンチの有無などは〇✕△でわかりやすく表記。また乗車位置案内にはエレベーターの位置だけでなく、トイレや最寄りの大型商業施設に行くには何号車が便利か?なんて情報も。

ベビーメトロ乗車案内

お出かけ前の移動シミュレーションにも役立つので、乗車位置案内は重宝しそうです。

情報をシンプルにすることで見つけやすく、またウェブをクリックしたときの画面移動も早くなっています。

実は最初の段階では「近隣の病院など便利情報を入れては?」「ルート案内は?」など様々な案が出ていたのだとか。しかし情報の見やすさや駅の構造上のなどの制約もあり(残念ながら地下鉄ではGPSがうまく作動しないためルート案内は難しいとのこと)、その中で現在の形が出来上がったそうです。

 

ベビーメトロの気になる今後は?

ベビーメトロマーク

ベビーメトロのエレベーター情報や乗車位置案内などは、ベビーカー利用者だけでなく体が不自由な方や大きな荷物を持った旅行客、そしてベビーカー以上に動きの制限がある車イス利用者にも需要がありそうですよね。

現在は2018年7月末までの試験的な運用ですが、今後正式なサービスとしてリリースされる予定はあるのでしょうか?

 

横溝さん:今回、実際にご利用いただいたお客様の声を拾い上げたうえで、会社全体で検討していきます。

 

実用化のためにはよかった点も改善点も全部ひっくるめて「お客様の声」を集め、その声をもとに使い勝手の向上と実用化に向けた検討を行っていくそうです。

そのためには多くの人に利用してもらったうえで、様々な意見を聞きたいとのこと。SNSでの反響もチェックしているそうなので「こうしてほしい!」「ここがよかった」なんて呟いたら、担当者が見てくれているかもしれませんよ。

 

もっと便利にお出かけがしたい!

車内でのベビーカー利用を含む子育て系の話には色々な意見があります。もしかしたら、ベビーカーで電車に乗ることによって嫌な思いはするかもしれません。

しかし今回の取材では、東京メトロの担当者から「電車でも(時間帯関係なく)利用できる」「困ったら助けを求められる人がいる」というお話を聞くことができました。

また「ベビーメトロ」というベビーカー(もちろん車イスや体の不自由な人なども)が地下鉄を利用しやすいようなサービスも検討され、試験的にではありますが運用が行われています。もちろん、優しい人たちもたくさんいます。

これらがベビーカーで我が子とのお出かけをしたい人の、ちょっとした後押しになってくれればと思います。

 

 

今回ご紹介したベビーメトロとは?

ベビーメトロマーク

サービス名:ベビーメトロ

ホームページ:https://www.babymetro.jp/

サービス期間:2018年3月27日~2018年7月31日

お問い合わせ先:東京メトロお客様センター 0120-104106(ホームページに詳細あり)

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